JOURNAL — Vol.02

AIを使える社員と、使えない社員を作ってしまっていないか

AI活用が個人差になる職場と、人とAIが協働する職場を対比したイメージ

生成AIの活用が企業に広がる中で、こんな光景が珍しくなくなりました。

AIを日常的に使い、資料作成や情報収集、文章作成を効率化している社員がいる。
一方で、ほとんど使わない社員もいる。

同じ会社で、同じ生成AIを利用できる環境が用意されているにもかかわらず、その活用には大きな差が生まれています。

前回の記事では、生成AIを導入しても社内で使われなくなる理由について考えました。

今回は、その先にあるもう一つの問題を考えます。

企業が生成AIの活用を社員個人に委ねることで、「AIを使える社員」と「AIを使えない社員」を作ってしまっていないでしょうか。

AI活用が「個人の能力」になっている

現在、多くの企業で行われている生成AI活用は、人がAIに指示を出すことから始まります。

質問する。文章を書かせる。資料を要約させる。アイデアを出させる。データを分析させる。

当然、指示の仕方によって結果は変わります。

何を聞けばいいのか。どのような情報を与えるべきなのか。返ってきた回答をどう評価するのか。さらに良い結果を得るために、どのような追加指示を出すのか。

こうしたことに慣れている人ほど、AIを便利に使えるようになります。

その結果、企業の中に新しい能力差が生まれます。

「AIを使いこなせる人」と「AIを使いこなせない人」です。

AIを使える人だけが評価される会社でいいのか

生成AIによって仕事が速くなった。以前より多くの資料を作れるようになった。調査にかかる時間が短くなった。

それ自体は良いことです。

しかし、それをそのまま「その社員の能力が高くなった」と考えてよいのでしょうか。

生成AIへ大量の指示を出し、多くのアウトプットを作れることと、その人自身が仕事について深く考え、判断できることは同じではありません。

場合によっては、人がAIの指示役になり、AIが生成したものを次々と業務へ流しているだけということもあります。

AIを使える人だけが仕事を大量に処理し、その人が高く評価される。
一方で、AIとの対話が得意ではない人は、これまで十分な経験や専門知識を持っていたとしても「AIを使えない人」と評価される。

企業が目指すAI活用は、本当にこの形なのでしょうか。

全社員にAI研修をすれば解決するのか

この問題に対して、よく行われるのがAI研修です。

プロンプトの書き方を学ぶ。生成AIの使い方を学ぶ。便利な活用方法を共有する。

もちろん、AIについて理解することには意味があります。

しかし、全社員がAIの専門家になる必要があるのでしょうか。

営業担当者には営業の仕事があります。経理担当者には経理の仕事があります。人事担当者には人事の仕事があります。

現場で働く人には、それぞれの専門性があります。

本来、その専門性を発揮するためにAIを導入したはずなのに、いつの間にか社員側に「AIを上手に操作する能力」を求めてしまう。

これは少し順序が逆なのかもしれません。

人がAIに合わせるのではなく、AIが会社に入ってくる

ここで、AIの捉え方を変えてみます。

社員全員にAIを使いこなしてもらうのではなく、AIの側に役割を与える。

例えば、

売上を毎日確認するAI。社内の情報を整理するAI。問い合わせ内容を確認するAI。営業活動を分析するAI。会議後のタスクを整理するAI。人事データを確認するAI。

それぞれに仕事と役割があり、必要な情報を確認し、必要なときに人へ報告する。

人が毎回プロンプトを書いて仕事を依頼するのではありません。

AIの側が「自分の仕事」を持っています。

この考え方が、CODATIでいう「AI社員」です。

AI社員とは何か

AI社員とは、人間の社員をAIに置き換えるという意味ではありません。

また、人間のような名前やプロフィールをAIにつけることだけでもありません。

重要なのは、
AIが会社の中で役割を持つことです。

どの情報を見るのか。何を確認するのか。どのような仕事を担当するのか。どのタイミングで動くのか。誰と協力するのか。何を人に報告するのか。

こうした役割を持ったAIが、会社の業務や情報につながって働く。

人は必要なときにAIへ相談することもできます。

しかし、AIの仕事は「人から質問されるのを待つこと」だけではありません。

自分の担当業務を持ち、人と協力しながら仕事をする。

これが、私たちが考えるAI社員です。

AI社員は、人の能力差を広げるためのものではない

AIを社員一人ひとりに配り、
「自由に使ってください」
とするだけでは、AI活用は個人の能力に依存します。

使う人。使わない人。使える人。使えない人。

やがて、その差が仕事の成果の差になっていきます。

しかし、会社としてAI社員を迎えるのであれば考え方は変わります。

社員がAIを使いこなすことを前提にするのではなく、会社がAIを働ける状態にする。

人は、人にしかできない判断や経験、コミュニケーション、創造性を発揮する。
AIは、大量の情報を確認したり、整理したり、継続的に監視したりする。

それぞれが得意な仕事を担当します。

目指すのは、AIを使える社員を増やすことではありません。
人とAIが、それぞれの役割を持って働ける会社をつくることです。

「AIを使う会社」から「AIと働く会社」へ

これまでの生成AI導入では、
「社員にどのAIを使わせるか」
が中心に考えられてきました。

これからは、
「会社の中でAIにどんな仕事を任せるか」
を考える必要があります。

AIを使うこと自体を社員の仕事にしない。AIを上手に操作できる人だけが恩恵を受ける環境にしない。AIそのものを、会社の仕組みの中へ入れていく。

CODATIは、そのための企業向けAIプラットフォームです。

AI社員が社内ナレッジや業務データにつながり、それぞれの役割を持って人と協働する。

私たちは、そんな「AIと働く会社」の環境をつくろうとしています。

Coming Next

次回:AI社員を会社に導入すると、何が変わるのか

AI社員という考え方を、実際の会社へ取り入れると何が変わるのでしょうか。

次回は、AI社員を導入したときに変わる仕事の流れや、人とAIの役割について具体的に考えます。

企画・監修:株式会社TOKIWAGI

CODATIについて