JOURNAL — Vol.01

生成AIを導入したのに、なぜ社内で使われないのか

オフィスで生成AIを活用しながら思考するビジネスパーソン

生成AIを導入する企業は、急速に増えています。

ChatGPTなどの生成AIを法人契約する。社員にアカウントを配る。社内向けの利用ルールを作る。AI研修を行う。

ところが、導入してしばらくすると、

  • 「使っているのは一部の社員だけ」
  • 「何に使えばいいのかわからないという声が出る」
  • 「使う人と使わない人の差が広がる」

そんな課題を抱える企業も少なくありません。

実際、帝国データバンクが2026年3月に実施した調査では、生成AIを業務で「活用している」企業は34.5%でした。

一方、すでに活用している企業の86.7%が業務への効果を実感しています。

ここには、一見すると矛盾するような状況があります。

生成AIは、使えば効果がある。
しかし、会社全体で使われる状態をつくることは難しい。

さらに同調査では、生成AIによる悪影響・トラブルとして、18.8%の企業が「使いこなし格差の拡大」を挙げています。

生成AIの業務活用率34.5%、活用企業の効果実感86.7%、使いこなし格差を問題視する企業18.8%を示した調査図

では、なぜこうしたことが起きるのでしょうか。

「AIを導入する」が「AIを社員に配る」になっていないか

現在の企業における生成AI導入には、一つの大きな前提があります。

それは、「人がAIを使う」ということです。

AIに質問する。文章を作らせる。資料を要約させる。アイデアを出させる。調査をさせる。

どれも便利な使い方です。

しかし、その効果はどうしても使う人に左右されます。

何をAIに任せるのか。どう質問するのか。どんな指示を出すのか。返ってきた答えをどう判断するのか。

AIを導入したはずなのに、実際には社員側に新しい能力を求めているとも言えます。

当然、AIを積極的に使う人もいれば、そうではない人も出てきます。

その結果、「AIを使える社員」と「AIを使えない社員」という新しい差が生まれます。

もっとAIを使わせることが、解決策なのか

この問題に対して、「もっと研修をしよう」「プロンプトの書き方を教えよう」「AIの利用率を上げよう」という対策を取ることもできます。

もちろん、AIリテラシーを高めること自体には意味があります。

ただ、私たちはもう一つの考え方があってもいいと思っています。

そもそも、全社員がAIを使いこなさなければならないのでしょうか。

経理システムを導入したからといって、全社員が経理の専門家になる必要はありません。

マーケティングツールを導入したからといって、全社員がマーケターになる必要もありません。

それならAIも、人がAIを使いこなすことだけを前提にしなくてもいいのではないか。
というのが、私たちの考えです。

AIにも「役割」を与える

たとえば、社員全員にAIを配るのではなく、

売上を毎日確認するAI。社内の情報を整理するAI。問い合わせを確認するAI。経営に必要な情報を毎朝まとめるAI。

というように、AI側に仕事と役割を与えたらどうでしょうか。

人が毎回AIに「これをやって」と指示するだけではなく、AI自身にも担当する仕事がある。

そして必要なときには、人からAIに相談する。

そうすると、AI活用を見る基準も変わります。

「社員がAIを何回使ったか」から、「AIが会社の中でどんな仕事をしているか」へ。

私たちは、この発想を「AI社員」と呼んでいます。

AIを社員に押し付けるのではなく、会社にAI社員を迎え入れる。

人がAIを使いこなすことを求めるのではなく、AIにも役割を持たせ、人と協力して働く環境をつくる。

それがCODATIの考える、企業におけるAI活用です。

社員一人ひとりにAIを使わせる従来型の活用と、役割を持つAI社員が人間社員と協働するCODATIの考え方の比較図

AIを使う会社から、AI社員と働く会社へ。

出典 帝国データバンク
「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」
※調査結果は調査時点のものです。
Coming Next

次回:AIを使える社員と、使えない社員を作ってしまっていないか

企画・監修:株式会社TOKIWAGI

CODATIについて